血糖コントロールには、季節の移り変わりも関わっています。先日、日経新聞の記事で「気温が1度上がるとアイスやジュースの消費量が増えて、砂糖の消費量が0.7g増える」という研究が紹介されていました。季節や気温は、私たちの習慣に大きく影響します。
夏に注意したいのは、冷たいジュースやアイス。気づかないうちに、砂糖の摂取量が多くなっていることがあります。また、私が患者さんの診察をしていて感じるのは、夏場はそうめんや冷やし中華などの麺類を選ぶ機会が増え、炭水化物の摂取量が増えていることです。
食事だけではなく、夏場は運動量にも違いを感じます。ここ数年は夏の暑さがかなり厳しいですよね。暑いと自然に活動量が低下して、血糖値も上がりやすくなってしまいます。食事面と運動面の両方から、夏は血糖コントロールが乱れやすい季節です。
ほかの季節も、夏とは違う注意点があります。冬は寒さから運動不足になりやすいことに加えて、年末年始などごちそうの機会が多く、体重が増えやすい時期です。春や秋は比較的過ごしやすいため運動習慣を見直すチャンスですが「食欲の秋」と言われる通り、つい食べすぎてしまうこともあります。果物も豊富で誘惑が多い季節です。
季節ごとにリスクは異なりますが、工夫次第で血糖コントロールは安定させられます。たとえば、夏は甘い飲み物を水やお茶に置き換え、涼しい時間に散歩をする。冬は室内でできるストレッチを習慣化する。秋は炭水化物だけでなく、野菜やたんぱく質もバランスよく食べる。小さな工夫を積み重ねることで、血糖値の安定につながります。
血糖コントロールは季節に左右されることを意識するだけでも、自分の生活を見直すきっかけになります。季節に合わせた食事や運動の工夫を取り入れてみませんか?主治医と相談しながら、自分に合ったスタイルを見つけていきましょう。