糖尿病の患者さんを診察していると、寒くなるにつれて血糖値が上がってしまう方がよくみられます。実は、冬は血糖値が上がりやすい季節といわれています。気温や生活リズムの変化が、血糖値の変動に影響を与えるためです。
寒くなると交感神経が刺激され、血糖を上げるホルモンが分泌されやすくなります。体温が下がらないよう、体が熱を作り出そうとする働きです。反応自体は自然なものですが、糖尿病の患者さんにとっては血糖値が上がりやすい原因になります。
冬は活動量が減りやすい季節でもあります。寒さで外に出る機会が減ったり、家の中で過ごす時間が増えたりすると、消費するエネルギーが少なくなり、血糖値が高くなりやすいのです。年末年始はごちそうを食べる機会や、人と集まる機会も増えるため、つい食べ過ぎてしまうこともあるでしょう。体の仕組みと生活習慣の両方が影響して、血糖値が上がりやすくなるため注意が必要です。
血糖値を安定させるために、日々の生活を少し工夫してみましょう。暖かい時間帯に10〜15分散歩をする、家の中でできるストレッチや体操を取り入れるなど、無理のない範囲で体を動かす習慣を続けてみてください。運動は、一度に長く行う必要はありません。短い時間でもこまめに体を動かすことで、血糖コントロールに良い影響があります。
食事面では、炭水化物ばかりに偏らないことが大切です。冬は、鍋料理をはじめとした温かい食事が増える季節です。野菜やたんぱく質をしっかりとり、糖質の量に注意しながら楽しみましょう。温かいスープは満足感が高く、食べすぎ防止にも役立ちます。
冬に血糖値が上がりやすいのは、特別なことではありません。多くの方が経験する自然な変化なので、季節に合わせた工夫でコントロールしていくことが大切です。困ったときは、遠慮なく主治医に相談してくださいね。冬ならではの工夫を一緒に探していきましょう。