以前、高市首相の所信表明演説で「攻めの予防医療」という言葉が使われました。病気になってから治療するのではなく、病気を進行させないように積極的に対策をとる、という考え方です。
糖尿病は「治す病気」ではなく「コントロールして合併症を防ぐ病気」です。発症後の生活をより良くするために「攻めの予防」はとても大切な考え方だと私は考えています。今回は、糖尿病の合併症を予防するために今日から取り入れられる3つのポイントを紹介します。
① 数値を知る
攻めの予防を実践するための第一歩は、現状を正しく知ることです。血糖値やHbA1cだけでなく、血圧・コレステロール・尿検査の値なども、合併症の予防に関わります。診察のときに結果を確認し、自分がどの位置にいるのかを把握することが大切です。数値を知ると、生活の振り返りや次の行動にもつながります。
② 小さな改善を積み重ねる
予防というと難しそうに聞こえますが、実は「小さな積み重ね」が一番大きな効果を生みます。食事では、まず野菜から食べる、炭水化物を少しだけ控える、甘い飲み物を水やお茶に置き換えるなど、できるところからで大丈夫です。運動も、1回に長時間取り組む必要はなく、10〜15分の散歩や、1日数回の軽いストレッチでも効果があります。続けられる工夫こそ、攻めの予防の要です。
③ 主治医と一緒に取り組む
攻めの予防は、一人で頑張りすぎる必要はありません。治療薬の調整、検査のタイミング、生活習慣のアドバイスなど、主治医と相談しながら進めることで、より早く確実に成果が出ます。糖尿病は長い時間をかけて向き合う病気ですが、未来を見据えて計画的に取り組むことで、合併症のリスクを大きく下げられます。
攻めの予防計画とは、難しいことに挑むのではなく、毎日の小さな積み重ねで未来を守る取り組みです。無理なく続けられる方法を一緒に探していきましょう。